田川義之先生
~流体の不思議さと美しさに魅せられて~
第44回は機械システム工学科の田川義之先生にインタビューしました。
中学時代から流体力学の将来まで、盛り沢山な内容となっています。ぜひ最後までご覧ください!
田川先生の授業についてこちらから。
〈プロフィール〉
お名前:田川義之先生
所属学科: 機械システム工学科
研究室: 田川義之研究室
最近の趣味:チェロを弾くこと
きっかけは中学生の頃の自由研究
―先生はなぜ研究の道に進もうと思ったのですか?中学生の頃、自由研究で「凧の研究」をしました。単純に凧揚げが好きだったからなのですが、今思えばその頃から流体の不思議さと美しさには興味がありました。現在は混相流(注1)分野の研究をしていますが、直接のきっかけは学部生の時の研究室選びの時に、数メートル規模の気泡を含む流れが、たった数滴の界面活性剤(洗剤に含まれているもの)で大きく変化することに魅了されたことです。その後、泡の研究からジェットの研究にシフトしても、その美しさと意外性には変わらない魅力を感じています。
―専門が泡の研究からジェットの研究にシフトしたと言うのは、それってどんなきっかけだったんですか?
元々の研究対象は細い管の中で泡を発生させた時の泡の運動についての研究でした。泡を発生させると、実は管の中の液体の表面からジェットが出ることがさらに面白いと思い、ジェットの研究にシフトしていきました。
好きなことをとりあえずやってみる
―高校生や大学生の間にやっておいた方がいいことはありますか?
好きなことをたくさんやるということです。
―熱中できることを見つけるみたいなことですか?
そんなに大げさではなく、面白いと思うことをやってみるということです。高校生でしたら流体力学の授業はないと思うのですが、流体の流れや雫を面白いと思ったら、高校生向けの流体の本を読んでその中にある実験とかやってみるということです。他にも語学で英語を学習しているのと思うのですが、その以外にも例えばドイツのサッカーが好きならドイツ語を学習してみたりするとよいと思います。そのような経験は大人になって生きてくるので、それをやったら良いと思いました。
―研究者としてのこだわり、大切にしている点を教えてください
機械システム工学科であることから現象の深い理解と共に、「ものづくり」に資することを大切にしています。ジェットの研究では無針注射や高粘度インクジェットプリンターなどのものづくりへとつなげています。
―では最後に研究分野で思い描く未来を教えてください現在は機械学習や自動実験解析システム(スマートラボ)など最先端の技術を取り入れ、これまでにない開発速度で研究を推進しています。針のない注射や溶剤不要な塗装など日本発祥の医療・環境・エネルギー技術を創出したいです。
(注1)液体と気体、液体と固体、気体と固体など異なる相が混ざりあった流れのこと
田川先生の「先生大図鑑」はここまで!いかがでしたでしょうか?
田川先生の講義について詳しく知りたい方は「「流体力学Ⅰ」~一見難しそうな流体力学を積極的に学べるように~」もあわせてどうぞ!
文章:あき
インタビュー日時:2022年8月22日
※インタビューは感染症に配慮して行っております。